現代ポートフォリオ理論とは
この理論は金融資産への投資比率、いわゆるポートフォリオを決定するための理論です。1952年にハリー・マーコウィッツによって発表された論文をもとに研究が行われていき、2013年に「資産価格の実証研究」でユージン・ファーマ氏がノーベル経済学賞を受賞しています。
ここでいうポートフォリオとは、金融商品の組み合わせのことで、特に具体的な運用商品の詳細な組み合わせを指します。たとえば下のポートフォリオはS&P500に50%、米国債券50%のポートフォリオです。

前提となる3つの要素
●リターン
投資により得られる利益のことです。リターンは高い方がもちろんいいですが、後述する「リスク」と表裏一体です。
●リスク
投資業界で「リスク」とは「結果が不確実であること」言い換えれば「リターンの振れ幅」のことです。言葉だけでは分かりづらいので具体例を見ていきましょう。下のグラフの場合Aは80から140までの振れ幅がありますが、Bの振れ幅はそれ以上にあります。この場合Bの方がリスクが大きいということになります。

●相関係数
下の図のようにAとBの上がり下がりの仕方(今回の場合は株価)が同じの状態を「正の相関関係」、上がり下がりの仕方が逆の状態を「負の相関関係」と言います。正の相関関係の場合、リターン・リスクは両者の真ん中くらいの値になります。負の相関関係の場合、リターンは両者の真ん中くらいの値ですが、リスクは大きく下がることがわかっています。
つまり負の相関関係にあるとき、「リターンも取れ、リスクを抑えた状態」になる。この状態をポートフォリオ効果と言います。


効率的フロンティア
下の図の曲線は株式Aと株式Bをどう言った割合でポートフォリオを作成しているかによって変動する期待リターンとリスクの変化を表しています。右上が株式A100%のポートフォリオ、右下が株式B100%のポートフォリオです。この左に凸のグラフからわかるのは曲線グラフの上半分、つまりオレンジ色で書かれたところがよりリターンの大きいポートフォリオだということです。このオレンジ色の部分を効率的フロンティアといいます。
次に期待リターンの縦軸にある債権と書かれたところがあります。これは便宜上債権と書いてありますが、いわゆる無リスク資産がここに当たります。この無リスク資産から効率的フロンティアの曲線に向かって書いた接線と効率的フロンティアの交点が市場平均のポートフォリオにあたると言われています。
そしてこの接線は曲線よりも上にあり、同じリスクでより大きなリターンが期待できることが分かります。つまりどう言うことかというと、市場平均を目指すインデックス運用と債権などの無リスク資産で構成されたポートフォリオが最も高いリターンを出すということです。

無リスク資産とは
元本が保証された安全資産のことです。国債の利回りが無リスク資産とみなされます。また、銀行に預けている預金もこれに該当します^_^
アクティブ投資家への皮肉
ここでまず、効率的市場仮説について解説します。Efficient-market hypothesis の訳語であり、株式市場には利用可能なすべての新たな情報が直ちに織り込まれており、投資家がとるリスクに見合わない、過度なリターンを得ることはできない、そして株価の予測は不可能であるという仮説です。
実は現代ポートフォリオ理論はこの仮説を前提とした理論であり、この仮説が成り立つのは、なんとアクティブ運用を目指す投資家たちがいてこそだというのです。つまり、アクティブ投資家がいなければ、この理論は成立せず、インデックス運用と無リスク資産の運用の合わせ技が最適解ということが言えなくなるのです。なので、わたしたちがインデックス運用をするには、インデックス投資家に勝てないアクティブ投資家の存在がなくてはならないという、皮肉な事実があるのです😊
まとめ
以上、現代ポートフォリオ理論の基本を解説しました^_^ 基本だけど、とても難しかったですね。何度も読み返して、ぜひ理解して帰ってください😊
みなさまの投資家人生がうまくいくことを願い、今日はおしまいにしたいと思います^_^ 読んでくださり、ありがとうございました😊
ここまで読んで、インデックス投資について知りたいと思った方は下の記事をご覧ください♪


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